作品の中に出てくる漫画Part.1

Part.1としましたが続くのやら。
今回はりぼんで未だに連載を続けている津山ちなみ先生のHIGH SCOREからマドモアゼルゆみこ先生をピックアップ!



マドモアゼルゆみこ
・本名は喜多川幹彦、通称ミッキー。名前のとおり男性。
・少女漫画雑誌りぼんの作家
・現在首引高校2年生の学生漫画家
・作風は基本的に少女漫画の王道をいっているのだが、時々道を大きくそれることがある。一例としてはヒロインが巨大化したり、ロボットを操作したりというようなものが挙げられる。
・彼の仕事場のドアには「マドモアゼルゆみこの部屋」という表札が貼ってある。どうやらミッキーはかなりペンネームを気に入っているようだ。
・ライバルはセニョリータみゆき。同時期にデビューし、同様の作風らしい。セニョリータみゆきの方が先に巻頭カラーを飾り、ミッキーが苦渋をなめたこともある。
・随分仕事熱心で、学校ではクラスの友人達に取材をしたり、ポーズモデルをしてもらいデッサンしたりと頑張っているのではあるが、その労力が報われているようには思えない。



<作品>
★★☆☆☆「ファンタスティック☆BOYをね・ら・え!!」
マド先生の代表作の一つ。ストーリーは図書館で偶然知り合った男女の恋の物語。センセーショナルなタイトルの割りに内容は余りに普通。タイトルのアクがかなり強いので星二つの評価となった。


★☆☆☆☆「あいつはまさかのシンデレラBOY」
相変らずタイトルはぶっ飛んでいるのだが、冷静に考えてみると一昔のりぼんであれば普通にあったかもしれない。むしろコレが普通だった気がする。ストーリーはおそらく首引高校の同窓生をモデルにして書いたものと推察される(真偽は不明)。


★★★☆☆「タイトル不明」(構想のみ)
クラスメイトの松本えみかのアドバイス「自分の身近な題材をテーマに書いてみたら」というのを受け、マド先生が趣味の家庭菜園からアイデアを出したもの。マド先生曰く、「オレの育てたネギやトマトが歌って踊って恋に夢に大冒険!」でかなりイケるらしい。作品として形を成していればこれまでの作風を逸脱した問題作として話題になったに違いない。


★★☆☆☆「血みどろセブンティーン〜えぐって!!MYハート〜」
その前に構想したネギやトマトの恋と夢の冒険譚はお蔵入りとなり、なんとか少女漫画家の位置をキープしたマド先生だったが、結局スプラッタホラーもの書いてしまった。ストーリーは連続凶悪殺人犯がメインらしい。マド先生曰く、「血生臭さの中にも乙女チックなひらめきをちりばめてみました。」。やはりレベルが違う。近作もタイトルは秀逸。しかし、スプラッタホラー自体に笑いが起きずに星は二つどまり。


☆☆☆☆☆「タイトル不明」
スプラッタホラーに続くマド先生の新境地として心霊ホラーにトライ。ただ、作品についての詳細は一切明らかにされておらず、「掲載されなかったのでは?」との不安もよぎる。評価できず。


★★☆☆☆「愛してマッスル」(今作のみペンネームが筋肉モリモリ☆マッチョモアゼルゆみこ)
新しくマド先生を担当することになった吉田由起子が暴走。マド先生が「タイトルをつけるのが苦手」などと吉田に相談し、一任してしまったために起きた惨事。しかし、一部のファンの間では今作のタイトルとペンネームがこれまでと変わらぬクウォリティにあるため、実はこれまでのタイトルは吉田がつけていたのでは?との疑惑も生まれている。内容については不明。


★★★☆☆「タイトル不明」(読みきり)
マド先生のアンケート評価を急降下させた問題作。というか、評価が落ちるほど評価されていたのか?との声も上がったが、りぼんのパブロ・ピカソことマドモアゼルゆみこには絶対の愛読者が多数存在するため連載は約束されているようなものだ。今作は担当の吉田が「絶対にこのシーンがなければ!」と押し切った作品。ストーリーは浜辺でマッチョ100人が黒ビキニ一枚でスイカを割りまくるというもの。吉田の意見がシーンどころか作品自体を侵す結果に。逆にそれが相乗効果を生んでいるとの声もかなり根強いため星は三つ。
後日談として担当吉田は今作により人気が急降下したマド先生に反省の弁を述べた。「ビキニなど脱ぎ捨て全裸でやるべきだった。私に勇気が足りませんでした」と。全裸でやった場合の評価は勿論星四つであることは言うまでもない。


★★★★★「オヤジ女子高生☆」
マド先生の最新作であり、すでに最高傑作の呼び声をほしいままにしている。ストーリーは清純派ヒロインのオヤジ顔モコを巡る男達の戦い。流行のクールな王子様系ヒーロー竜次君を据え、幼馴染がモコに告白する展開。そこに男友達の北側君も加わり四角関係にまで発展。エロチックなシーンも満載で続く展開から目が離せない!
<登場人物>

星の宮モモコ(通称モコ)
王道の清純派ヒロイン
竜次
モコを抱きしめキスまでしたクールな王子様系ヒーロー。モコに「キスをするときモコのヒゲがあたってジョリジョリ…ジョリジョリ…それがイイ!」と言ったのも彼。クールな王子様はかなり変な性癖を持っているご様子。
幼馴染(名前は不明)
モコに告白した幼馴染。途中まではモコ、竜次と幼馴染の三角関係だった。
北川
三角関係に割って入ったモコの男友達。「たしかにモコをオマエに近づけたのはオレだけど、それで気づいたんだ!!オレもモコが好きだって!!」とのセリフから竜次か幼馴染をモコに近づけ、現在の関係を作ってしまった張本人のようだ。近づけたということばからっ察するに北川がモコに近づけたのは竜次のようだ。

このようなマド先生の作品を振り返ってみると担当が変わったことが彼の作風に大きな影響を与えているようだ。「愛してマッスル」以前の担当だった三浦さん(30歳男性)はレース編みとお菓子作りを趣味とするマド先生初期の嗜好と合致する担当だった。三浦さんはマド先生の名付け親としても有名で現在のマド先生の基盤を作ったと言っても過言ではない。



しかし、「愛してマッスル」掲載前に入社して間もない吉田由起子に担当が変わり、マド先生の作風も風雲急を告げるように変化を遂げた。「趣味は格闘技観戦、好きな食べ物は焼肉、好きなタイプはモリモリしている人、男達の筋肉と筋肉のぶつかり合いを描いた物語が読みたいです。」というだけあって極度の筋肉フェチ。担当変更後の読みきり作品が勝手に「愛してマッスル」(筋肉モリモリ☆マッチョモアゼルゆみこ)にされていたほどである。



はじめこそ拒絶反応を見せていたマド先生だったが、吉田の秀逸なアイデアにインスパイアされたのか突如化学反応を見せる。吉田が担当となってから二作目はその変動かあまりに突出したものとなってしまったが、吉田後三作目にして少女漫画の完成系ともいえる最高傑作「オヤジ女子高生モコ☆」を生み出した。マド先生と吉田のシナジー効果でさらなる傑作が世に産み落とされるに違いない。兎に角今の希望はHIGH SCORE作者である津山ちなみ先生が「オヤジ女子高生☆」を単行本のオマケにでもいいから書いてくれることだけである。



追記)
HIGH SCOREに出てくる学生漫画家マドモアゼルゆみこは作者の津山ちなみ先生がモデルであると考えられる。学生漫画家であることや漫画家になったきっかけが賞金目当ての投稿であったこと、津山先生の本名がゆみこであることなどなどがその証左である。よって、HIGH SCOREで描かれる奇想天外なマドモアゼルゆみこの作品の数々は津山先生の脳内パラダイスによる産物であり、「りぼんが許せば…」と思っているだろう作品なのである。そこで我々はこれらの素晴らしくも世に出ることのない傑作を、多くの人に見てもらうべきではないだろうか?



そこで諸君。「りぼんて少女漫画だべ?男は読まんよ。」とか、「最近のりぼんはつまんない」とか言わずにとりあえずHIGH SORE5巻を買って「オヤジ女子高生☆」の濃密世界を目撃せよ!そしてまわりの人間に伝播するのだ!諸君のそのような草の根活動がいずれ実を結ぶであろう。



津山ちなみ公式サイト:http://www4.ocn.ne.jp/~chinamix/


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